美容室に行くと毎回言われる
「本日はどう致しますか?」
このセリフがゲストの再来店の確率を減らしているって知っていますか?
毎回来店していただける常連の方ならまだしも、初めてご来店される方にこのセリフではハードルが上がってしまいますよね、、、。
その理由を簡単に説明していきましょう!
初めて触る髪は良くわからない
では「どうしますか?」と聞かれたゲストはなんと答えるでしょう。
「こんな感じにパーマをかけたい」「こんなカラーをしたい」「量を減らしたい」など、多くの場合は、自分の理想とするヘアースタイルやヘアカラーを答えるでしょう。
でも、初めて触らせてもらう髪で、履歴の良くわからない、ダメージレベルの把握も曖昧、好みも髪質も良くわからない中で、ゲストの望む「結果」をどれくらいの美容師が出せるのでしょう、、、。
もちろん、自分の得意なスタイル、得意な施術なら十分可能なケースもあるでしょうけど、それでも、「初めての髪」にはリスクがついて回ります。
でも、ある程度、満足していただかなければ、当然「次の来店」ないのも事実。
ではどうするか、、、、それはまずはゲストの目線を変えてもらうんです。
つまり、マイナスから1日でいきなりプラスを目指すのではなく、まずはプラスマイナス0
に目線を変えていただくのです。
人は満足を求めるより、不満足を解消したい
そこで、カウンセリングの第一声を
「本日はどうされましたか?」と変えてみることが有効です。
ま、言い方や、言い回しはそれぞれで、このようなニュアンスが伝われば良いのですが、そう聞かれたゲストは、、、
「ここがはねるのが気になって、、」「なんだかまとまらなくて、、」「毛先がパサパサするのが気になって、、」「もっとボリュームを出したくて、、」「白髪が気になって、、」など、多くは今の自分の「不満」を口にすると思います。
(もちろん中にはこんなスタイルやカラーにしたい!と言われることもあるでしょうが、)
多くの場合、今までの美容師になんらかの不満があって美容室を変えるケースが多いですからね。
要するに、現状のご自分の髪やヘアースタイルの不満を聞き出し、まずは、その改善策提案する事から始める、、、ということです。
そうすると、ある程度パターンも絞り込めて、技術力のレベルアップも測りやすくなるでしょう。
そこで信頼を得られれば、今後の提案もスムーズになるでしょう。
なにより、そこまでで、数回のコミニュケーションを取れるため、髪質の把握、好みの把握、普段のスタイリングの出来までも把握でき、初回ご来店時よりは、圧倒的に有利に仕事を運べるのです。
さらにゲスト側からすると「こんなに考えてくれるんだ、、、」と感じてもらえるのも大きなメリットですよね。
じつは、この「不満足の解消」は心理学的にもビジネス的にも、最も有効な手段であり、基本と言われているのです。
分かりやすく言うと、めちゃくちゃお腹が空いている時に「なんでもいいから口にしたい!」と思う欲求と、「どうせならより美味しいものを口にしたい」という欲求では、圧倒的に前者の欲求の方が大きいという事です。
ダイエットや薄毛などのコンプレックスビジネスも、この基本に沿っていると言えるでしょう。
あとは、この「不満を解消」する技術や施術の精度があがれば、お客様は100%、また来ていただけるようになるのは間違いありません。
美容師の大半は「髪の悩み」を聞かない
「そんな事、もうずっとやっているよ、、」
そんなふうにいう美容師さんもいるかも知れませんが、もしゲストにも伝わるくらい、しっかり聞けているのであれば、それはかなりレアで貴重な存在ですので、きっと既に売れっ子美容師であるか、もしくは売れっ子美容師になっていく美容師さんでしょう。
あるデータによると、カウンセリングで髪の悩み、不満を聞く美容師は2割に満たないそうですからね、、。
それくらい、多くの美容師はゲストの髪の悩みには注目しないし、ゲストも美容師も即結果につなげようとして空回りしてしまうパターンが多い、、という事ですね。
先にもお話したみたいに、それはめちゃくちゃ難しいし、知識と経験だけでなく、カウンセリング力、技術力、時間が必要になるでしょう。
それよりは、エステや整体のように、「段階を踏んで理想に近づける」という方が、より良い結果につなげられる可能性は高くなります。
と、いう事で、今回はカウンセリングのお話でした。
お付き合いいただきありがとうございました!